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トキワ、シュウマツドリ
創作置き場
-Prologue- アルマースの狼
 

 昔々、あるところに王様がいました。
 王様はとても賢く、民からも愛されていました。
 王様には一人の友人がいました。それは、ダイヤモンドの瞳を持つ狼でした。
 ダイヤモンドの瞳の狼は「アルマース」という名を貰い、毎晩王様の元を訪れました。
 アルマースは王様の知らないことを沢山知っていました。王様はアルマースの話が面白くて、毎晩楽しく語り合いました……………




 ドアをノックする音に、少年は本を閉じた。年甲斐も無くこんな絵本を読んでいるのを見られたら、笑われるかもしれないな。本棚の端にそれを押し込むと、凜とした声で返事をする。
 一人きりの静かな部屋、少年は机に向かう。散らかった本の山を掻き分けてノートを引っ張り出し、広げた歴史書を見ながら書き付ける。
 不意に入り込んだ風にノートのページを捲られ、少年は思わず身震いした後溜息をついた。開け放たれた窓はガタガタと音を立てる。今日は風が強い。

 少年は待っている。真冬の夜、窓を開け放って待っている。狼が来るのを待っている。
 一人ぼっちの王様は待っている。友人を待っている。いつかこの退屈な日々に色を付けてくれる狼を、少年は待っている。


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[2016/06/06 19:46] | ダイヤモンド・ライト | トラックバック(0) | コメント(0)
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